2021年8月17日火曜日

夏休み特別企画 朝野園長コラム②

 

7月20日~8月31日までは毎週火曜日にブログを更新します。

 

朝野園長先生は本学の芸術・スポーツ科学系美術分野の先生で、彫刻を専門とされています。

 

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「石磨き授業」

 

8月3日園長コラム①「触覚による造形の発見」では、

私が20歳代に経験したことと当時の作品の画像を紹介しました。

園長コラム②では、触覚による感性を育むことによる

自分磨きにつなげられるような授業を紹介したいと思います。

 


こちらは「石磨き」の見本です。

左上から耐水サンドペーパーで番手を7段階、

水磨きすると右下のようにツルツルピカピカになります。

このように一つ一つ段階を着実に進めていくことで

2500番のような輝きになります。

(石はガーデン用に販売されている黒の玉石)

 

私は東京学芸大学に採用される前に

大阪の公立中学校で美術教員をしていました。

その頃の生徒たちの中には

「美術なんか、なんでやらなあかんねん」

「しんどい、だるい」

「おれには才能ないねん」など、

美術の授業に対してやる気のない声が多くありました。

そんな彼らが少しでも意欲的に取り組めるようにと思いついたのが

「石磨き」でした。

技術的な難しさがなく、

磨けば磨くほど作業の変化が目に見えてわかり、

目標がはっきりと定まるので完成度を高める意欲が湧いてきます。

 

次第に磨き度合いを周りの生徒たちと競うようになり、

自分の作業の結果を目の当たりにしたとき、

「少し集中してやればおれにもできるやん」

と思えるようになります。

今まで苦手と思っていたことも

少しの集中で出来るのではないかと、

チャレンジする気持ちと自分に自信をつける一助となる授業になったと思います。

 

「石磨き授業」は、

大学着任後も美術館や公立の小・中学校で出張授業として時折行きますが、

いつも、取り組む子どもたちの真剣な姿に感動します。

ピカピカに磨き上げた自分の石を愛おしそうに頬ずりしたり、

大事そうに梱包したりする様子も伺えられました。

その石の輝きは自分自身も磨き上げた証となっていることを

自覚させてくれます。


 









☆おまけ☆

今週の稲の様子

 


今週も稲の長さを測ってみます。

前回は90cm(ピンクの印)でしたが、

どのくらい伸びているでしょうか。



90.5cmでした。

前回とほとんど同じ長さです。

 

この1週間は雨が多く、

お日様の光をあまり浴びられなかったので

成長がゆっくりだったのかもしれませんね。

今週は水色の印をつけておきます。


ちなみに3週間前の田んぼの様子がこちらです。

 


1週間では生長が分かりにくくなりましたが、

3週間前と比べると、ずいぶん生長したことが分かりますね。

 

夏休み期間中は

毎週5歳児学年が育てている稲の写真を載せていきます。

一週間でどのぐらい成長したか

ぜひ見比べてみてください。