2022年8月11日木曜日

夏休み特別企画 朝野園長コラム①

2023年度入園に関するお知らせを7月29日付ブログに掲載中です

※8月末までは毎週木曜日にブログを更新します。

 トップページのお知らせには掲載されませんので、ご注意ください。


 私にとっての夏休みは彫刻シンポジウムで現地公開制作に参加することが出来る期間であり、各国の彫刻シンポジウムの現場で制作してきました。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年から開催中止が相次ぎました。その後、ヨーロッパでは2022年の春ごろから再開するところも出始めて、再びどこかの国の彫刻シンポジウムに参加できる期待を込めているこの頃です。このBlogのバックナンバー(20208月)にも園長コラム①と②で「台湾・花蓮国際石彫シンポジウム」と「トルコ・イスタンブール国際彫刻シンポジウム」のことを掲載しました。海外渡航もまだ容易ではない今般という思いもあり、今回のコラムも私が過去に参加した2つの国際彫刻シンポジウムについて画像を中心に紹介いたします。

先ずは、2014年の「セントジョン国際彫刻シンポジウム」です。

セントジョン(Saint John)は、カナダ南東部、ニューブランズウィック州南部の港湾都市です。彫刻制作現場は貿易港に面した広大な敷地で行われました。大きな客船も頻繁に出入りしていました。

公募により、カナダ、フランス、オランダ、ブルガリア、ジョージア、オーストラリアから各1名、私を含む日本から2名、合計8名の彫刻家が選出されました。

 


前列が選出された彫刻家たち。後列は実行委員会のスタッフたち。


私は英語が話せませんが、イタリア語は少々話せます。彫刻シンポジウムはヨーロッパからの参加作家が多くイタリア語を話す人もいますし、同業者なので会話は割と通じ合います。

 


現場に原石が搬入されます。なかなか大きな塊です。素材は花崗岩です。これから50日間の制作が始まります。私が今まで参加した中でこのセントジョンのシンポジウムが一番長い期間でした。



小型削岩機でいくつも穴を開けて、そこへクサビを入れて石を割ります。


 


原石から4つに分割したそれぞれの石を形づくります。

持っている工具はエアーチッパーです。このほかにもグラインダーなどを使います。

 


4つのパーツそれぞれの形が出来上がってきました。これから丸いくぼみの部分を磨きます。

磨くと墓石のようにツルツルピカピカになります。

 


それぞれ4つの完成したパーツを組み立てます。クレーン作業はいつも緊張します。

 


完成作品がそろった制作会場風景。


 


完成作品「夢を叶えるドア」高さ3.5m、幅1.5m、奥行き1.3m


この後、セントジョン市内にある国立職業訓練学校のエントランスに恒久設置されました。

 


来週の朝野園長コラム②に続きます。